ソーラーカーポートの設置にかかる費用とは?
本体価格や設置費用の相場

2023年6月2日
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ソーラーカーポートを設置するには、本体や設置費用だけでなく、設置に伴う税金や確認申請費用などさまざまな費用がかかります。本記事では事業者がソーラーカーポートを導入する際にかかる本体価格や設置費用の相場についてご紹介します。

ソーラーカーポートとは

ソーラーカーポートとは、駐車場といったカーポートの屋根に発電パネルを設置するタイプの太陽光発電システムです。近年、スーパーマーケットや工場、商業施設などの駐車場に導入されています。 このソーラーカーポートには、太陽光発電パネルとカーポートが1つになっている「一体型」と、後から設置を行う「搭載型」の2種類があります。 ソーラーカーポートを導入する主なメリットは以下2つです。

  •  駐車場を有効活用して太陽光発電ができる
  • 脱炭素への取り組みで企業イメージを高めることができる

ソーラーカーポートについてのメリットは以下記事で詳しくご紹介しています。ご興味のある方はぜひご覧ください。

以降では、ソーラーカーポート導入における費用項目や実際の価格感などを解説します。

ソーラーカーポートの導入・設置にかかる費用項目と相場価格

ソーラーカーポートの導入にはパネル本体にかかる費用のほか、設置費用やオプション費用がかかります。以下ではそれぞれの相場をご紹介します。

ソーラーカーポート本体の費用

ソーラーカーポートの本体にかかる費用ですが、その料金は、カーポートのサイズやパネルの設置枚数によって変動します。主な相場としては下記のとおりです。 ソーラーカーポート本体の費用 また、設置するソーラーカーポートについては、既製品を導入するのではなく、導入するスペースに合わせたオーダーメイド製品にする場合、相場よりも金額が高くなってしまうことがあるため注意が必要です。

ソーラーカーポートの設置費用

ソーラーカーポートの設置費用は、架台、杭工事、確認申請費用、手続き費用、地盤調査などが含まれています。 本体同様、設置するサイズや枚数によって変化しますが、相場価格は駐車2台分の場合、約180万~240万円となっています

蓄電池やV2Hなどのオプション費用

ソーラーカーポートで発電した電気を貯めるためのオプションとして蓄電池やV2Hを導入するケースが多いです。 これらの費用相場として、住宅用蓄電池は100~200万円、V2Hは40~100万円が一般的です。またこれらもソーラーカーポートと同様に、別途設置費用がかかるため注意が必要です。

ソーラーカーポート設置に伴う税金・申請費用

ソーラーカーポートは小さな車庫のようですが、法律上は建築物と定義されるため、以下のような費用が別途かかるケースもあります。

固定資産税がかかる場合がある

1つ目は、法律上における「建築物」にかかる固定資産税です。
基本的にソーラーカーポートには固定資産税はかかりませんが、以下の条件にすべて当てはまる場合、固定資産税の対象としてみなされます。

  • 屋根がある
  • 三方向以上を壁で囲まれており、作業や居住ができる
  • 基礎が地面に固定されている

また、実際にカーポートに壁がなくても、家や塀などから近すぎるため、壁面があるかのように見えてしまう場合は固定資産税がかかる可能性があります。そのため設置の際には、土地や建物にあったカーポートの設置場所の検討を行う必要があります。

建築確認申請が必要なため、申請費用がかかる

2つ目が、建築物であることにより生じる建築確認申請の費用です。
建築基準法では、床面積が10㎡を超える建築物の増築は確認申請が必要と定められており、カーポート設置においても該当する場合、確認申請が必要です。

具体的な費用としては、15万円から30万円程度です。また、申請手続き自体にも多くの手間がかかるため、面倒な手続きを代行してくれる業者を選定しておくことがおすすめです。

屋上ソーラーや農地ソーラーとの比較

ここまではソーラーカーポートの費用についてご紹介しましたが、一般的な太陽光発電の導入方法である屋上ソーラーや農地ソーラーとの違いはあるのでしょうか。この章では、屋上ソーラーや農地ソーラーとの違いについてご紹介します。 経済産業省の公表した「令和4年度以降の調達価格等に関する意見」によると、2021年度に設置された太陽光発電の設置費用は、10kW以上の場合、平均値としては1kWあたり25.0万円であるとされています。 以下は1kWの発電に必要な面積を10~15平方メートルとした場合の屋上ソーラーと農地ソーラーの設置にかかる費用相場です。

屋上ソーラーの費用相場

屋上ソーラーの場合、設置する建物の屋上の広さによって変動しますが、一般的なビルや大規模施設に設置した場合の費用は以下のようになります。 ■一般的なビル(300~450平方メートル)

  • 設置容量は30kW
  • 設置費用は約750万円

工場のような大規模施設(2000~3000平方メートル)

  • 設置容量は100~200kW
  • 設置費用は約2500万~5000万円

ソーラーカーポートとの違いとしては、設置費用が高額になりやすく、また屋根の素材によっては設置できなかったり、補強工事が必要になったりする可能性があります

農地ソーラーの費用相場

農地ソーラーも設置する土地の広さによって変動します。例えば100~130平方の場合下記の費用になります。

  • 設置容量は10kW
  • 設置費用は約250万円

ソーラーカーポートとの違いとしては、土地によっては造成工事が必要となり期費用がかさむことや、設置した農地から送電するための装置を設置する必要があります

ソーラーカーポートならではのメリットとは

ソーラーカーポートは費用や発電量という点で屋上ソーラーや農地ソーラーと違いがありますが、ソーラーカーポートにしかないメリットもあります。

一つ目は駐車場利用者の利便性向上につながる点です。

ソーラーカーポートは駐車場に設置するため、駐車場の利用者にとって日差しや雨よけになり、利用者の利便性向上にも寄与します。片持ち屋根タイプのソーラーカーポートであれば、駐車時に柱が邪魔にならず、駐車を妨げることもありません。

二つ目は脱炭素への取り組みをアピールできる点です。

最近では自社での温室効果ガスだけでなく、取引先の温室効果ガス排出量(Scope3)の削減に取り組む企業が増えています。駐車場に設置するソーラーカーポートは屋上や農地に比べて、人目に触れやすいためScope3を削減したい企業に対して、再生可能エネルギーを使用していることをアピールすることができます。

このように、「SDGsの取り組みを強化させたい」、「再生可能エネルギーを活用して企業イメージを向上させたい」などソーラーカーポートで“脱炭素経営”を推進されたい方は以下ページもご覧ください。

▶ソーラーカーポートで脱炭素経営を推進できます

ソーラーカーポートの設置で期待できる発電量

では、実際にソーラーカーポートではどれくらいの発電が行えるのでしょうか。 1坪(3.31㎡)あたりの年間発電量を380 kWhとした場合の発電量の目安は下記の通りになります。

  • 2台分(28.5㎡):約3,280kWh
  • 5台分(71.25㎡):約8,180kWh
  • 10台分(142.5㎡):約10,700kWh

一般的な従業員約10名のオフィスで使用される年間発電量の目安は、約4,300kWh、25名の場合は、約10,700kWhであることから、少人数規模のオフィスであればソーラーカーポートのみで年間の電気使用量の賄うことが可能です。

「ソーラーカーポートで電気使用量をカバーし、電気代高騰の対策がしたい」などソーラーカーポートで電気代を削減されたい方は以下ページをご覧ください。

ソーラーカーポートの導入で電気代削減を削減するには

ソーラーカーポートの導入・設置時に利用可能な補助金

ソーラーカーポートの導入・設置時に利用可能な補助金 ソーラーカーポート導入には、さまざまな費用がかかることをご紹介しましたが、環境省が行う「新たな手法による再エネ導入・価格低減促進事業」を補助金として利用することで負担を減らすことが可能です。 この補助金は、環境省が「事業の継続性が期待できる」と判断した事業者であれば、どの事業者でも応募できます。採択された場合、ソーラーカーポートや蓄電池の導入費用が3割以上(上限1億円)安くなります。 補助金の詳細については以下をご覧ください。 出典:環境省「再エネ熱利用・自家消費型再エネ発電等の価格低減促進事業補助金の公募開始について」https://www.env.go.jp/press/110726.html

初期費用なしで導入できるオンサイトPPAモデルとリースモデルとは

導入にかかる費用を抑えたい場合、初期費用と維持管理費用が不要である「オンサイトPPAモデル」や「リースモデル」で導入することができます。

オンサイトPPAモデルとは

オンサイトPPAモデルは、自社の敷地を電力事業者に貸して発電設備を設置するモデルです。発電設備は電力事業者が所有するため、初期費用や維持管理費用もなく設置をすることができます。設備は電力事業者が所有しているため、電力を使用する場合は電力事業者から購入する必要がありますが、オンサイトPPAで購入する電力は契約時に決定した単価が固定されることが一般的であるため、電気代が高騰しても費用を抑えたまま電力を使用できる点がメリットです。

リースモデルとは

リースモデルも自社の敷地を貸し出しリース事業者の発電設備を設置するため、初期費用や維持管理費用もなく設置をすることができます。オンサイトPPAモデルと異なる点は、電力の扱いについてです。オンサイトPPAモデルは電力事業者から電力を買い取るのに対して、リースモデルは発電した電力は自社のものになります。自社にて使い切れなかった分は電力会社に売電することによって、売電収入を得ることができるメリットもあります。

事業者向けソーラーカーポートならソーラーカーポートすっきりGX

本記事では、ソーラーカーポートの導入費用についてご紹介しましたが、そのような導入費用について事業者に合わせた適切な提案を行っているのが「ソーラーカーポートすっきりGX」です。 ソーラーカーポートすっきりGXはコンクリート基礎が不要な工法で設置するため施工期間が短く、建築許可申請作業もすべて代行するため、ご発注から設置までの期間を大幅に短縮することができます。 また、片持ち屋根での設置になるため利用者の利便性が高く、修繕が必要になるリスクも軽減できます。 ソーラーカーポートすっきりGXについてご興味のある方は以下をぜひご覧ください。

お役立ち資料

5分でわかる!はじめてのソーラーカーポート
近年、太陽光発電設備の導入が進み、空き地といった未開発の適地が減少しています。また、建物屋根上だけでは十分な再エネ電力を得られないケースも増えています。このような中、注目が集まっているのが、企業のデッドスペースである駐車場の屋根上に設置できる「ソーラーカーポート」です。 本資料では、ソーラーカーポートの概要や導入までの流れ、準備などをご紹介します。
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