【2023年度版】
法人向けソーラーカーポートの補助金制度

2023年9月29日
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ソーラーカーポートを導入するには、高額な費用が必要です。「ソーラーカーポートを導入したいが、費用感がネックとなり導入に踏みとどまっている」という法人の方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、ソーラーカーポートの導入時に活用できる補助金制度について解説します。

※2023年時点で活用できる法人向けのソーラーカーポートの補助金はありませんが、令和5年度以降も実施が予想される補助金「再生可能エネルギー事業者支援事業費」についてご紹介します。また、2023年9月時点で概算要求額が公表された補助金についてもご紹介します。

ソーラーカーポートの導入・設置にかかる費用とは

ソーラーカーポートの導入・設置に際しては、ソーラーカーポート本体の購入費だけでなく、カーポートを固定する杭工事などの設置費用や、固定資産税・建築申請にかかる費用も発生します

本体費用だけでも駐車場2台分で約200万円かかるほか、蓄電池やV2H(EVから自宅へ給電するための機器)を導入する場合はさらに追加で費用が発生します。

ソーラーカーポートを導入する際にかかる本体価格や設置費用の相場については、以下の記事もあわせてご覧下さい。

ソーラーカーポートの補助金

このようにさまざまな費用がかかるソーラーカーポートの導入コストを抑える手段として、国が実施する補助金の活用があります。
本記事では、ソーラーカーポートの補助金について以下の点を解説します。

・概要
・補助率や補助金限度額
・対象者
・条件
・注意点

なお、以下でご紹介するソーラーカーポートの補助金は2023年9月時点で公募が終了している点にご留意ください(ただし、同様の補助金は今後も実施される可能性があります)。

再生可能エネルギー事業者支援事業費

ソーラーカーポートの補助金として代表的なものが、以下でご紹介する「再生可能エネルギー事業者支援事業費」です。

※本章の内容は、一般社団法人 環境技術普及促進協会の「公募要領」を参考にしています。
公募要領:http://eta.or.jp/offering/23_04_shin1/files/02_4hd_kouboyouryo_1.pdf

補助金の概要

「再生可能エネルギー事業者支援事業費」は、「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(民間企業等による再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業)」の一環として行われる事業であり、駐車場を活用したソーラーカーポートや蓄電池等の設備の導入を行う事業者に対し、事業に必要な経費の一部を補助する制度です。

これにより、地域の再エネ主力化・レジリエンス強化の促進を加速化し、2050年カーボンニュートラルの実現に資することを目的としています。

補助率や補助金限度額

補助率は補助対象経費の3分の1であり、補助金交付額の上限は1億円です。

補助金の対象者

補助金を申請できる対象者は以下の通りです。

(1)民間企業
(2)独立行政法人
(3)地方独立行政法人
(4)国立大学法人、公立大学法人及び学校法人
(5)社会福祉法人
(6)医療法人
(7)協同組合等
(8)一般社団法人・一般財団法人及び公益社団法人・公益財団法人
(9)その他環境大臣の承認を得て協会が適当と認める者

※「民間企業」には、株式会社・合名会社・合資会社・合同会社・信用金庫・相互会社・有限会社等が含まれます。

補助金を受ける際の条件

補助金を受ける際には以下の条件を満たしている必要があります。

(1)導入設備による発電量の50%以上を導入場所の敷地内で自家消費すること。
(2)本補助金を受けることでの導入費用が、基準額を下回ること。

パワーコンディショナ出力

一般地域

建設基準法の多雪地域(垂直100cm以上)

10kW未満

27.25万円/kW

32.80万円/kW

10kW以上50kW未満

26.44万円/kW

31.73万円/kW

50kW以上

17.84万円/kW

21.41万円/kW


※導入費用の計算方法
太陽光発電設備等に係る補助対象経費 ×(2/3)÷ PCSの最大定格出力=導入費用

(3)パワーコンディショナ(PCS)の最大定格出力の合計が5kW以上、積載率が1以上であること。(太陽光モジュール容量÷PCS最大定格出力の合計=積載率)
(4)停電時に電力供給が可能なシステム構成であること。
(5)本事業によって得られる環境価値のうち、需要家に供給を行った電力量に紐づく環境価値を需要家に帰属させるものであること。
(6)FIT制度またはFIP制度の認定を取得しないこと。
(7)自己託送を行わないものであること。

公募時の注意点等

・応募時に必要なもの
申請書、実施計画書、経費関係書類、その他の資料(会社の概要、法人登記全部事項証明書(写し)、代表事業者の財務内容に関する書類など)

・応募方法

上記の応募に必要な書類を、電磁的方法により協会に提出します。
※電磁的方法により行うことができないとき又は電磁的記録を提出できないときは、書面による方法で提出することができます。 

・主な注意点

(1)維持管理
本補助事業により導入した設備等の取得財産は、管理者の注意をもって管理し、補助金の交付の目的に従って効率的運用を図ること。また、導入に関する各種法令を遵守すること。

(2)二酸化炭素削減量の把握及び情報提供
補助事業者は、事業の実施による二酸化炭素排出削減量を把握し、交付規程及び協会の求めに応じて、事業の実施に係るこれらの情報を提供すること。

(3)小規模事業用電気工作物に係る届出
10kW 以上50kW未満の太陽光発電設備を設置する事業者は、経済産業大臣に所定の届出等を行うこととなったので、必要な手続き等を行うこと。

(4)補助対象となる太陽光発電設備等の解体・撤去等にかかる廃棄等費用について、『廃棄等費用積立ガイドライン』(資源エネルギー庁)および『太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン』(環境省)に準拠して、必要な経費を算定し、太陽光発電設備の排出時に適切なリユース・リサイクル・適正処理を実施すること。

2023年9月時点で概算要求額が公表された補助金

本章では、駐車場を活用した太陽光発電設備(ソーラーカーポート)の導入を行う事業についてご紹介します。本補助金は現時点では公募期間や条件は発表されていませんが、概算要求額が公表されています。

2024年度(令和6年度)の概算要求額が公表

本補助金を含む「民間企業等による再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業」の2024年度の要求額は193.37億円と公表されています。これは2023年度当初予算の42.6億円を大幅に上回る額であり、対象条件の拡大が予想されます。
前回の実施に関する条件は以下の通りでしたが、今後条件が緩和されることが見込まれます。

・発電量の50%以上を導入場所の敷地内で自家消費すること

・太陽光発電システム等の補助対象経費が、以下の基準を下回るものであること
10kW未満:27.25万円/kW
10kW以上50kW未満:26.44万円/kW
50kW以上:17.84万円/kW

・パワーコンディショナの最大定格出力の合計が5kW以上かつ、積載率は1以上であること

・事業の実施によって得られる環境価値を需要家に帰属させること

・FIT・FIPによる売電を行わないこと

補助額が高くなることも

加えて、補助額が高くなることも予想されます
以下は前回の補助率です。

・一体型ソーラーカーポート・搭載型ソーラーカーポートまたは蓄電池:対象経費の3分の1(上限1億円)

・車載型蓄電:蓄電容量(kWh)÷ 2 × 4万円(上限は「補助対象車両一覧」の車両ごとの補助金交付額)
※蓄電容量に用いるkWhは、1台ごとに小数点以下切捨てとする。

・放充電設備:対象経費の2分の1(上限はV2H 充放電設備の「補助対象一覧」の設備ごとの補助金交付額)

・充電設備:対象経費の2分の1(上限は「令和3年度補助対象充電設備型式一覧表」の設備ごとの補助金交付上限額)

今回の補助率は3分の1です。

駐車場を活用した太陽光発電(ソーラーカーポート)について、コスト要件を満たす場合、設備等導入の支援として予算の3分の1が補助されます。

補助金活用以外で費用を抑えてソーラーカーポートを導入する方法

補助金のほかにも、「オンサイトPPAの導入」「片持ち屋根タイプでの導入」といった方法により、費用を抑えてソーラーカーポートを導入することができます。

オンサイトPPAの活用

オンサイトPPAとは、電力事業者がソーラーカーポートを購入して企業の敷地内に設置し、そこで発電した電力を購入する仕組みのことです。

ソーラーカーポートの導入費用は事業者側が負担するため、初期費用なしで導入でき、維持費用も必要ありません。

電力事業者が設備を所有しているため、企業が電力を使用する場合は事業者から購入する必要があるものの、電力の一部はソーラーカーポートで補うことができ、電力事業者から購入する電力は契約した単価が固定されます。

しかし、オンサイトPPAは自社所有モデルの方が利益が大きいというデメリットがあります。

オンサイトPPAの場合、初期費用が発生しない分、月々の電気代がかかってしまいます

また、PPA事業者が設置した太陽光発電所から電気を購入する契約は、15年から20年と長期間になる場合があり、デメリットがあるため注意が必要です。

片持ち屋根のタイプのソーラーカーポートを導入

ソーラーカーポートには片持ちタイプと両持ちタイプがあります。

後方の柱でカーポートを支える片持ち屋根のタイプは、両持ちタイプと比較して駐車スペースが確保されるため、前向き駐車がスムーズに行えるなど利用者の利便性が高いメリットがあります。

これにより修繕が必要になるリスクが軽減され、修繕費用を抑えることが可能です

事業者様・自治体様向けのソーラーカーポートすっきりGXでは、片持ち屋根タイプのソーラーカーポートを提供しています。
横柱がないため、駐車しやすいスマートな設計となっており、後で修繕が必要となるリスクを回避できます。

片持ち屋根タイプ!「ソーラーカーポートすっきりGX」の詳細はこちら

補助金を活用して費用を抑えてソーラーカーポートを導入しましょう

本記事ではソーラーカーポートのコストを抑えられる補助金と、補助金以外の方法をご紹介しました。

ソーラーカーポートすっきりGXは、商業施設や工場をお持ちの事業者様に特化したソーラーカーポートです。設置・施工はもちろん、建築確認申請のサポートまで行い、必要に応じて、地盤調査などのサポートも可能です。

コンクリート基礎が不要な工法のため、大幅に工期を短縮でき、組み立てと解体が容易に行えるなどの特徴もあります。

また、片持ち屋根での設置になるため利用者の利便性が高く、修繕が必要になるリスクも軽減できるため、メンテナンス費用を抑えることも可能です

ソーラーカーポートすっきりGXについてご興味のある方は、以下の資料をぜひご覧ください。

お役立ち資料

5分でわかる!はじめてのソーラーカーポート
近年、太陽光発電設備の導入が進み、空き地といった未開発の適地が減少しています。また、建物屋根上だけでは十分な再エネ電力を得られないケースも増えています。このような中、注目が集まっているのが、企業のデッドスペースである駐車場の屋根上に設置できる「ソーラーカーポート」です。 本資料では、ソーラーカーポートの概要や導入までの流れ、準備などをご紹介します。
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