寿命は何年?ソーラーカーポートの耐用年数を解説

2024年1月19日
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ソーラーカーポートの導入を考えている方の中には、ソーラーカーポートの寿命や耐用年数について気になる方も多いのではないでしょうか。ソーラーカーポートの寿命が短ければ、導入しても費用対効果は低くなってしまいます。本記事ではソーラーカーポートの耐用年数について解説します。

ソーラーカーポートの寿命や耐用年数は?

ソーラーカーポートには、製品として問題なく使用できる目安である「寿命」と、減価償却を行う場合の基準となり、製品の経済的価値として法律で定義される「耐用年数」(法定耐用年数)があります。

ソーラーカーポートの寿命

ソーラーカーポートの寿命としては、カーポート本体と太陽光発電システム(太陽光パネル、パワーコンディショナー)の寿命がそれぞれあります。

カーポートの寿命は材質によって異なるものの、一般的には約15年です。

また、太陽光パネルは約20年~30年、パワーコンディショナーは約10年~15年となっています。太陽光パネルはモーター等を使用しないため劣化のペースが比較的緩やかですが、パワーコンディショナーは多くの電子部品が使われていることから、一般的な家電の寿命とほぼ同じであると見ておいた方が良いでしょう。

ソーラーカーポートの耐用年数

ソーラーカーポートは税務上「構築物」に分類され、ソーラーカーポートに最も近い「露天式立体駐車場」の耐用年数は15年とされています。そのため、ソーラーカーポートの耐用年数も同じく15年となる可能性が高くあります。この場合、設置にかかった費用を減価償却費として15年間毎年計上できます。

なお、太陽光発電システム単体の法定耐用年数は17年と定められています(産業用太陽光として全量売電を行う場合)。

ソーラーカーポートの寿命が縮まる原因

ソーラーカーポートは上記の寿命が来るまでは絶対に故障しないというわけでなく、以下の原因によって一般的な寿命よりも正常に利用できる期間が短くなってしまうことがあります。

ホットスポットの発生

1つ目の原因は、太陽光パネルに影が入ることで発生するホットスポットによるものです。ホットスポットとは、太陽光パネルの温度が局所的に100℃を超えるような高温になる現象のことであり、発電量の低下や故障、場合によっては火災が発生するリスクもあります。

ゴミや木の葉、鳥のフンなどが付着して汚れが生じたり、周辺の木々などの影に部分的に覆われたりすることで発電できなくなり、その箇所の電気抵抗が大きくなることで熱の発生を招きます。また、太陽光パネルの表面のガラスがひび割れることでもホットスポットが発生する可能性があります。

設置前に周囲の建物や木々の影に入らないかよく確認し、パネルをこまめに掃除することが大切です。

経年劣化

2つ目の原因は、長年使用することによる経年劣化です。ソーラーパネルの配線カバーが切れたり劣化したりするほか、雨によってパワーコンディショナー内に水が浸入したりすることで故障し、発電効率が下がってしまいます。

屋外に設置することもあり、経年劣化を完全に防ぐことは困難ですが、少しでも高い発電効率で長く利用するためには、パネルやコンディショナーを定期的にメンテナンス・交換することが必要です。

ソーラーカーポートを長く使用できるようにするには

前章で説明した寿命が縮まる原因を踏まえ、以下ではソーラーカーポートを長く使用するための方法をご紹介します。

耐雪・耐風ができるソーラーカーポートを導入

降雪量の多い地域や、台風など風の影響を受けやすい地域などでは、耐雪性や耐風性のあるソーラーカーポートを導入することで、気象災害による被害を抑えられる可能性が高まります。たとえば降雪量が多い地域では、雪の重みに耐えられるよう太陽光パネルや架台を耐雪性や高耐圧の高いものにしておく必要があります。

実際に導入する際に、自社の地域ではどのくらいの耐雪性や耐風性が必要になるかを調べておきましょう。

免震構造・耐震構造のソーラーカーポートを導入

日本では全国どこでも大きな地震の被害に遭う可能性があります。地震によりカーポートが倒壊してしまえば使用できなくなることはもちろん、周辺に被害を与えてしまうことも考えられます。

そのため、免震構造や耐震構造を持つソーラーカーポートを導入するのがおすすめです

定期メンテナンスを依頼できる業者を選定する

ソーラーカーポートは屋外に設置する性質上、花粉や黄砂をはじめ汚れが付着するのを避けることはできません。汚れが付着したままだと経年劣化が進みやすくなるため、花粉や黄砂などの汚れがたまっていないか定期的に業者に確認してもらい、太陽光発電システムの検電・耐圧試験・電圧測定なども行ってもらう必要があります。

メンテナンスの項目や頻度はどのくらいか、導入前にしっかりと業者に確認しておきましょう

耐用年数をチェックしてより良いソーラーカーポートを導入しましょう

本記事でご紹介したように、高い発電効率を維持しつつソーラーカーポートを長く使用するには、寿命や耐用年数、寿命が短くなる原因を把握したうえで、メンテナンスの項目や頻度、構造(災害に強いかなど)を比較して最適なものを選定する必要があります

下記の資料では、ソーラーカーポートの比較ポイントや選定方法など、メンテナンスや構造以外にもソーラーカーポートを選定するうえで抑えておきたいポイントを紹介していますので、自社に最適なソーラーカーポートを選定したい方はぜひご覧ください。

お役立ち資料

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