ソーラーカーポートに固定資産税がかかる条件と計算方法を解説
本記事では、ソーラーカーポートに固定資産税がかかる場合の条件と、計算方法を解説します。
ソーラーカーポートに固定資産税がかかる条件
「固定資産税」と聞くと、家屋や土地にかかる税金というイメージがありますが、ソーラーカーポートが課税対象になることもあります。ソーラーカーポートの場合、以下の条件を満たすと固定資産税がかかります。
ソーラーカーポートの発電量が10kw以上
ソーラーカーポートが安定して出力し続けられる電力量が10kWである場合は、固定資産税がかかります。太陽光発電装置の発電量が10kW以上の場合は事業用とみなされ、固定資産税の対象である償却資産に該当するためです。
ソーラーカーポートの発電量は駐車場1台分で約3.6kWであるため、償却資産として固定資産税が発生する発電量が10kWとなるのは駐車場4台分が目安となります。
なお、厳密には、10kWの電力量とは定格出力のことを指します。定格出力とは安定的に出力できる最大の電力量のことであり、ソーラーパネルの場合、以下の条件下で出力する電力と定義されています。
・日射強度が1,000W/m2
・エアマス(太陽光が地上に到達するまでに通過する大気量)が1.5
・モジュール温度(太陽電池セルの温度)が25℃
カーポートの3方向以上が壁に囲まれている
発電量以外の面で固定資産税の対象になるかどうかは、「カーポートが建物に該当するか」によって判断され、具体的には以下の条件にすべて該当する場合に固定資産税がかかります。
1つ目は、カーポートの3方向以上が壁に囲まれている場合です。
たとえば前面にシャッターがついており、左右と後ろが壁となっている場合は当てはまります。実際にカーポートに壁がなくても、家や塀などと近接しているために、壁面があるかのように見えてしまう場合は固定資産税がかかる可能性があるので注意が必要です。
カーポートが居住や貯蔵などに利用できる
2つ目は、カーポートが居住や貯蔵などに利用できる場合です。
カーポートに居住するというのは現実的ではありませんが、法律上は、屋根があればメンテナンスなどの目的で長時間カーポート内にとどまることができるため、居住可能とみなされます。カーポート内で作業ができる場合も該当します。
カーポートの基礎が地面に固定されている
3つ目は、基礎が地面に固定されている場合です。
通常、カーポートを設置するときは強風や地震などで倒壊しないように、柱を地面に固定する基礎工事が行われます。そのため、この条件はすべてのカーポートが該当します。
ソーラーカーポートに固定資産税がかからない場合
ソーラーパネル(発電機)の定格出力が10Kw未満であり、以下4つの条件のうち当てはまるものが4つ未満の場合は、固定資産税がかかりません。
・カーポートの基礎部分が地面に固定されている
・カーポートの3方向以上が壁に囲まれている
・カーポートに屋根が付いている
・カーポートが居住や貯蔵などに利用できる
たとえば、カーポートが屋根と柱のみで構成されている場合、条件の1つである「カーポートの3方向以上が屋根に囲まれている」という条件に該当しないため、発電量が10kW未満であれば固定資産税がかかりません。
ソーラーカーポートの固定資産税の計算方法
以下では、ソーラーカーポートにかかる固定資産税の計算方法について見ていきます。
ソーラーカーポートに固定資産税がかかる場合の計算例
固定資産税は資産評価額に1.4%の税率をかけることで算出されます。資産評価額は、取得額から減価率を割り引いた額であり、減価率は法定耐用年数によって異なってきます。
ここでは例として、駐車場4台分のソーラーカーポートの取得に350万円を要した場合の固定資産税額を計算してみましょう(ここでのカーポートは、固定資産税の対象となる先述の条件をすべて満たしているものとします)。
カーポートを税務上の「露天式立体駐車設備」とした場合、法定耐用年数は15年であり、減価率は0.142%となります。
これらの数字をもとに固定資産税額を計算すると以下の通りです。なお、1年目のみ減価率は半分で計算します。
・1年目の固定資産額
3,500,000円×(1-0.142×1/2)≒3,251,000円(資産評価額※1)
3,251,000円×1.4%≒45,500円(固定資産税額※2)
※1:1,000円未満は切り捨て
※2:100円未満切り捨て
・2年目の固定資産額
3,251,000円(1年目の資産評価額)-(1-0.142)≒2,789,000円(資産評価額
2,789,000円×1.4%≒39,000円(固定資産税額)
3年目以降も同様に、前年の資産評価額をもとに計算していきます。カーポートやソーラーパネルの規模・用途などによって耐用年数・減価償却率は変わってくるため、実際に導入する際には税理士などに相談しておきましょう。
固定資産税の支払い方法
以下では固定資産税の支払い方法などについて解説します。
固定資産税評価額の調べ方
前章では取得額を固定資産税評価額とみなして税額を計算しましたが、家屋などでは自治体ごとに決められた方式に従って評価額を算出します。たとえば家屋を新築した場合、家屋に使われている資材や設備などを自治体の職員が現地調査し、評価額が決められます。
事前に評価額のおおよその相場を把握したい場合は、施工を担当したハウスメーカーなどに確認すると良いでしょう。
固定資産税の払い方
固定資産税は、自治体から送付される納税通知書の内容に基づいて支払います。
主な支払い方法としては、自治体・金融機関の窓口、コンビニでの現金納付か、口座振替です。口座振替を選択する場合は、事前に申し込みをしておく必要があります。
また、自治体によってはクレジットカード決済やスマートフォン決済に対応している場合もあります。クレジットカードやスマートフォンで決済をしたい場合は、各自治体の公式ホームページで対応しているか調べておきましょう。
固定資産税の支払い時期
固定資産税は、年4回の納期ごとに分割して納付します。一般的には、毎年4~6月に固定資産の所有者の住所に納税通知書が郵送されるため、届き次第納付する流れとなります
各期の一般的な納付期限は以下の通りです。
1期目:4月~6月末
2期目:7月~9月末
3期目:9月~12月末
4期目:12月~翌年2月末
納付期限日が土日祝日の場合は、翌月の最初の平日が期限となります。また、自治体によっては第1期に4期分まとめて納付することも可能です。納税通知書が郵送される具体的な時期や各期の納付期限日は自治体によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
費用を抑えてソーラーカーポートを導入する方法
固定資産税がかかる場合、ソーラーカーポートを導入する際の費用がかさんでしまいます。そこで費用を抑えるため、初期費用なしでソーラーカーポートを導入する方法を検討することもおすすめです。
1つ目の方法は「オンサイトPPA」であり、発電事業者が自社の敷地に設置した発電施設から電力を購入する方法です。事業者からはあらかじめ契約した単価に基づいて電力を購入するため、電気代が高騰しても一定の価格で購入し続けられるメリットがあります。
2つ目の方法は「リースモデル」であり、自社の敷地をリース事業者に貸し、事業者の所有する発電設備を設置する方式です。オンサイトPPAでは事業者から電力を購入する一方、リースモデルでは発電した電力を自社で使用します。
オンサイトPPA、リースモデルともに自社で発電設備を所有しないため、初期費用をかけずにソーラーカーポートを導入可能です。
そのほか、補助金などを活用して導入費用を抑える方法もあります。ソーラーカーポートにかかる費用相場などについては、下記記事で詳しく解説しています。
事業者向けソーラーカーポートならソーラーカーポートすっきりGX
本記事で解説したように、固定資産税はソーラーカーポートを導入する際に費用面でのネックになるため、適切な導入費用の提案を受けられるサービスを利用することがおすすめです。
ソーラーカーポートすっきりGXは、事業者に合わせた適切な導入費用を提案しており、コンクリート基礎が不要な工法で設置するため施工期間が短いメリットがあります。
また、片持ち屋根での設置になるため利用者の利便性が高く、修繕が必要になるリスクも軽減できるため、メンテナンス費用を抑えることができます。
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