ソーラーカーポートとは?
導入のメリットや種類をご紹介
ソーラーカーポートとは
電気代の節約やSDGs、Scope3排出量削減の取り組みの一環として法人向けソーラーカーポートが注目されています。本記事ではソーラーカーポートの概要と種類、導入メリットや設置する際の注意点について解説します。
ソーラーカーポートとは
ソーラーカーポートは、カーポートの屋根に太陽光発電パネルが装備された設備です。一般的な種類として、太陽光発電パネルとカーポートが統合された「一体型」と、後から装備できる「搭載型」の2つがあります。
現在、ソーラーカーポートはさまざまな施設にて導入されており、スーパーマーケットや工場、商業施設などの駐車場などが挙げられます。
ソーラーカーポートを導入する特長は、以下2つです。
- 屋上や壁面に太陽光パネルを設置できない場合でも、デッドスペースになりやすい駐車場を有効活用して発電できる
- 日差しや雨よけになるなど、利用者の利便性の向上に寄与できる
ソーラーカーポートが注目されている背景
近年、ソーラーカーポートが注目されている背景は以下3つです。
- 電気代の高騰
日本の電気代は2010年以降上昇し続けています。LNGや石炭などの輸入価格高騰の影響により、2023年6月にも14%~42%の値上げ幅で電気代が上昇しており、太陽光を利用した発電に注目が集まっています。
出典:経済産業省 資源エネルギー庁 電気料金の改定について(2023年6月実施)https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/fee/kaitei_2023/
ソーラーカーポートを導入することで、駐車スペースを確保したまま電気代を賄うことができます。
電気料金の高騰でお悩みの方は以下ページもご覧ください。
▶ソーラーカーポートの導入で電気代を削減するためには
- 脱炭素の取り組み
SDGsや温室効果ガス排出量削減といった脱炭素への取り組みです。
昨今では、自社での排出量削減だけでなく、取引先の排出量(Scope3)を削減したい企業から選ばれるための要素として実施する企業も増えており、よりソーラーカーポートといった再生可能エネルギーの設備導入を行うニーズが増加しています。
- 空き地や建物屋根上だけでは十分な再エネ電力を得られなくなっている
従来の太陽光パネルは空き地や建物屋根上に設置するものですが、これらの設置箇所の発電のみでは、十分な再エネ電力を得られることは難しくなっています。そこで、新しい設置場所かつ、これまで活用できていなかった駐車場を利用するソーラーカーポートに注目が集まっています。
ソーラーカーポートの種類
ソーラーカーポートには大きく分けて3種類があります。それぞれの特徴を以下でご紹介します。
太陽光発電一体型
1つ目は、太陽光発電パネルの設置が前提とされ、大陽光発電パネルとカーポートが統合された一体型のソーラーカーポートです。
導入の際に無駄なスペースをつくらず、駐車スペースとしての利用と同時に太陽光発電による電力供給が可能です。また太陽光パネルが屋根に一体化されたデザインは、美しくスマートな印象も与えられます。
太陽光発電搭載型
2つ目は、カーポートの屋根に太陽光パネルを取り付ける搭載型のソーラーカーポートです。
多様なデザインがあり、設置場所に合わせて柔軟に選べる特長があります。
太陽光パネルは設置場所によって適切な角度が異なりますが、搭載型は架台の位置を変えることで調節が可能です。しかし、調節によっては費用が増額するため確認が必要です。
また、パネルを後から搭載できないカーポートもあるため注意が必要です。金属製の屋根材を使用したカーポートにはパネルを後から設置できますが、透明な素材やポリカーボネートを使用しているカーポートは、パネルの設置を前提としていないため、導入する際には、カーポート自体を交換する必要があります。
オーダーメイド型
3つ目は、自社の状況に合わせてオリジナルにカスタマイズできる設計のソーラーカーポートです。
車両の台数や設置場所に応じたカスタマイズが可能ですが、設計や施工に多くの費用や時間がかかるため注意が必要です。
ソーラーカーポートのメリット
では実際に、ソーラーカーポートの導入は、事業者にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。以降では導入するメリットをご紹介します。
駐車場を有効活用して太陽光発電ができる
ソーラーカーポートは、新たに場所を確保することなく、自社におけるデッドスペースである駐車場の屋根上を有効活用しながら発電できます。
また、ソーラーカーポートといった太陽光発電設備は、災害時に非常用電源として使用でき、電気自動車のEV充電との組み合わせることで、発電した電気を貯めることも可能となり、高い利便性を実現します。
脱炭素への取り組みで企業イメージを高めることができる
ソーラーカーポートの設置により、昨今関心が高まっているSDGsや温室効果ガス排出量削減といった脱炭素への取り組みをアピールすることができます。
自社での温室効果ガスの排出量削減はこれまで多くの企業が取り組んできましたが、最近では取引先の温室効果ガス排出量(Scope3)の削減に取り組む企業が増えています。駐車場に設置するソーラーカーポートは屋上や未開拓地への設置に比べて、人目に触れやすいためScope3を削減したい企業に対して、自社が再生可能エネルギーを使用していることをアピールすることができます。
「SDGsに取り組む企業やRE100加盟企業からの取引を増やしたい」、「再生可能エネルギーを活用して企業イメージを向上させたい」など、ソーラーカーポートで脱炭素経営を推進されたい方は以下ページもご覧ください。
▶ソーラーカーポートで実現できる「脱炭素経営」の取り組み
ソーラーカーポートを設置する際の注意点
ソーラーカーポートを導入する際には、以下のようなポイントを押さえておく必要があります。
建築確認申請が必要
建築基準法では、床面積が10㎡を超える建築物の増築は確認申請が必要と定められており、カーポート設置の際にも、確認申請が必要なケースがあります。
建築確認申請までの大まかな流れは以下の通りです。
1. プランニングと現場確認
2. 詳細設計と地盤調査
3. 建築確認書類作成(申請書類、図面、構造計算書など)
4. 建築確認申請書類提出
このような申請には申請費用が別途かかり、また多くの工数がかかるため、スムーズに行いたい場合は手続きを代行してくれる業者を選定することがおすすめです。
種類によっては、設置後に駐車しづらくなるケースがある
事業者の駐車場によっては、ソーラーカーポートを設置後に駐車がしづらくなるケースもあります。
例えば、両持ち屋根のタイプであると、駐車がしづらく、場合によっては車をぶつけてしまうため事故による修繕が必要になる可能性があります。
このようなことから、ソーラーカーポート設置の際には、利便性を損なわないための片持ち屋根タイプを選ぶことがおすすめです。
ソーラーカーポートの設置にかかる費用
ソーラーカーポートの設置には、設備本体だけではなく、設置費用や、オプション費用などさまざまなコストがかかります。具体的には、下記のような費用がかかります。
- ソーラーモジュール、付属機器
- 蓄電池、旧電池など電池系(オプション)
- 架台、杭工事
- 各種申請、調査費用(確認申請費用、手続き費用、地盤調査)
費用感としては、駐車場4台分の広さのソーラーカーポートを設置する場合、360万円ほどかかります。
具体的なソーラーカーポートの費用については以下記事でご紹介しています。ご興味のある方はぜひご覧ください。
ソーラーカーポートの設置がおすすめな企業
以降では、実際にどのようなニーズや状況の企業がソーラーカーポートを導入すべきなのかをご紹介します。
駐車場をお持ちで電気代を削減したいとお考えの事業者様
ソーラーカーポートは、デッドスペースである駐車場の屋根上を活用して発電が行えます。
また、建物の構造計算上の問題や外観を損ねる理由により、屋根や壁面を活用した太陽光の導入を見送ることになっていた事業者様にも導入しやすい設備であり、電気代の削減に繋げられます。
太陽光発電を導入済みだが、さらに発電量を増やしたい事業者様
ソーラーカーポートは、屋上ソーラーや未開拓地ソーラーを既に設置している事業者様が、さらに発電量を増やしたいケースにもおすすめです。
ソーラーカーポートは4台分のスペースから工場のような大規模な土地までの設置も可能なため、自社の空きスペースを利用して効果的な発電を行えるでしょう。
SDGsやScope3排出量削減に取り組む企業との取引がある事業者様
ソーラーカーポートを設置して再生可能エネルギー比率を上げることで、SDGsやScope3排出量削減に取り組む企業との取引を有利に進められる可能性があります。
2023年3月時点で日本には369社のSBT認定企業があります。SBT認定企業は自社の温室効果ガス排出量に加え、取引先の排出量(Scope3)の削減に努めなければならないため、取引先の選定基準として、温室効果ガス排出量も重要となってきます。
ソーラーカーポートを設置することで自社が再生可能エネルギーを使用していることを視覚的にアピールでき、SBT認定企業をはじめとした、Scope3排出量削減に取り組む企業との取引を有利に進められる可能性があります。
出典:環境省 「SBTに参加する⽇本企業の認定数が更に増加」
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/files/SBT_joukyou.pdf
社用車で電気自動車を使用している事業者様
電気自動車を社用車で使用している場合、ソーラーカーポートであれば、駐車しながら電気自動車の充電が行えるため、コスト削減に繋がります。またカーポートは、日差しや雨よけになるため、利用者の利便性も向上します。
事業者向けソーラーカーポートならソーラーカーポートすっきりGX
本記事では、ソーラーカーポートについてご紹介しました。屋上緑化システムでは、ソーラーカーポートの導入・設置について事業者様に合わせた適切な提案が可能です。
ソーラーカーポートすっきりGXは、コンクリート基礎が不要な工法で設置するため施工期間が短く、建築許可申請作業もすべて代行するため、ご発注から設置までの期間を大幅に短縮することができます。
また、片持ち屋根での設置になるため利用者の利便性が高く、修繕が必要になるリスクも軽減できます。
ソーラーカーポートすっきりGXについてご興味のある方は以下をぜひご覧ください。