太陽光発電をカーポートに設置する際の注意点・価格をご紹介

2024年4月23日
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太陽光発電の設置場所は屋根だけではなく、空き地や駐車場の屋根であるカーポートにも設置されています。駐車場に太陽光発電を設置できるソーラーカーポートは、駐車場の駐車スペースを確保したまま太陽光発電を実現できるため注目を集めています。本記事では太陽光発電をカーポートに設置する際の注意点や設置にかかる費用をご紹介します。

太陽光発電をカーポートに設置する方法とは

脱炭素経営の推進や高騰する電気代削減などの目的で、太陽光発電の導入が注目されています。太陽光発電は工場やオフィスの屋根だけでなく、駐車スペースに設置されるカーポートにも導入することが可能です。

太陽光発電をカーポートに導入する方法は、大きく2種類あります。
1つ目は、はじめから駐車場の屋根にソーラーパネルが付いた「一体型」のソーラーカーポートを導入する方法であり、もう1つは自社にある既存のカーポートに後から太陽光発電設備を設置する「後付け」する方法です。

ソーラーカーポートの導入方法の詳細や、一体型と後付け型それぞれメリット、デメリットについてはこちらの記事で解説しています。
【関連記事】カーポートに太陽光を設置するには?一体型の新規導入と後付け設置の違い

また、後付けでソーラーカーポートを設置する場合には、屋根の素材や大きさなどの面で一定の条件を満たしている必要があります。その詳細についてはこちらの記事をご覧ください。
【関連記事】カーポートに太陽光発電を後付けで設置できるのか?後付けのメリット・デメリットも解説

太陽光発電をカーポートに設置する際の価格

本章では、太陽光発電をカーポートに設置する際にかかる費用として、ソーラーカーポート4台分の価格とソーラーパネルの価格を紹介します。

ソーラーカーポート4台分の価格

ソーラーカーポートの費用はメーカーや販売店、仕様などによって異なりますが、スチール製で4台分のソーラーカーポートの場合、500万円~700万円です (N値や基準風速等条件によって変化します)。

また、ソーラーカーポート本体のほかに、日中発電した電力を溜めて必要なときに利用するための蓄電池や、EV(電気自動車)のバッテリーを蓄電池として活用するためにV2Hなどの設備を導入する場合、追加で費用がかかります。
蓄電池は100~200万円、V2Hは40~100万円ほどが相場です。

ソーラーパネルの価格

ソーラーカーポートを後付けする場合には、ソーラーパネルの導入費用がかかります。経済産業省の資料(令和5年度以降の調達価格等に関する意見(案)) によると、2024年度の太陽光発電の導入費用は平均で1kWあたり25.5万円と想定されています(工事費、パワーコンディショナー等の費用を含む)。
4台分のカーポートの一般的な出力である9kWで計算すると、約229万円の費用がかかる計算です。

ソーラーカーポートにかかる費用の内訳は、下記の記事で詳しく解説しています。
【関連記事】ソーラーカーポートの価格相場は?設置費用など導入にかかる費用をご紹介

ソーラーカーポートには固定資産税もかかる

ソーラーカーポートには、建物や土地の所有者に課せされる固定資産税がかかる場合があります。
具体的には、カーポートの3方向以上が壁に囲まれていると「建物」とみなされ、固定資産税の対象となります。また、ソーラーカーポートの発電量が10kw以上であると事業用の発電施設とみなされ、この場合も固定資産税の対象となります。

固定資産税は資産評価額(取得額から減価率を差し引いたもの)に1.4%の税率をかけることで算出されます。例えば、駐車場4台分のソーラーカーポートの取得に500万円を要した場合、固定資産税は下記の式により求められます(減価率は0.142%、1年目のみその半分と仮定)。

・1年目の固定資産額

5,000,000円×(1-0.142×1/2)≒4,645,000円(資産評価額※1)
4,645,000円×1.4%≒65,000円(固定資産税額※2)

※1:1,000円未満は切り捨て
※2:100円未満切り捨て

・2年目の固定資産額

4,645,000円(1年目の資産評価額)-(1-0.142)≒3,985,000円(資産評価額)
3,985,000円×1.4%≒55,000円(固定資産税額)

事前に知っておきたいソーラーカーポートの固定資産税の詳細については、下記の記事で解説しています。
【関連記事】「ソーラーカーポートに固定資産税がかかる条件と計算方法を解説」

太陽光発電をカーポートに設置する際の注意点

太陽光発電をカーポートに設置する際には、以下の点に注意する必要があります。

補助金を確認する

ソーラーカーポートや太陽光発電の導入時には補助金を活用できる場合があります。どのような条件でどのくらいの補助を受けられるか、確認しておくことがおすすめです。

補助金は募集期間が短いことや、応募数が多いことから早めに情報収集しておく必要があります。
例えば、環境省が所管する「再生可能エネルギー事業者支援事業費(駐車場を活用した太陽光発電設備(ソーラーカーポート)の導入を行う事業)補助金」の、第3次公募実施期間は、令和6年1月24日(水)から同年2月29日(木)まででした。

出典:環境省HP

補助金に関する情報は設置業者が知っていることが多いため、設置業者に自社が活用できる補助金を紹介してもらうと良いでしょう。

なお、令和6年では、需要家主導太陽光発電導入促進事業(経済産業省)、ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業(環境省)、新たな手法による再エネ導入・価格低減促進事業(環境省)の補助金が公募されると予想されています。

蓄電池も導入する

ソーラーカーポートで発電した電気を夜間や雨天時に活用できるようにするためには、蓄電池が必要です。
蓄電池を併用することで、災害などにより停電が発生した際に蓄電池に貯めていた電気を使用できるため、災害対策として役に立ちます。また、蓄電池に貯めておいた電気を、電気料金が比較的高くなる昼間に使用することで電気代削減につながるメリットもあります。

こちらの記事では、ソーラーカーポートと蓄電池の活用方法やメリットなどについて詳しく解説しています。
【関連記事】ソーラーカーポートの蓄電池とは?相場や選び方も解説

免震・耐震構造のカーポートを導入する

地震大国の日本では、建物を免震化・耐震化することは防災上非常に重要であり、ソーラーカーポートも例外ではありません。ソーラーカーポートが地震による被害を受け、太陽光発電が故障してしまうと、地震で停電が発生した場合に電気を使用できなくなってしまいます。
地震の被害を最小限に抑えるため、免震・耐震構造を持つソーラーカーポートを選ぶことがおすすめです。

ソーラーカーポートの設置業者を選定する際のポイント

ソーラーカーポートの設置は業者に依頼することになりますが、その際には以下の観点から業者を選定すると良いでしょう。

定期メンテナンスを行ってくれるか

ソーラーカーポートは屋外に設置するため、土埃や鳥のフン、黄砂などの汚れが付着しやすく、汚れを放置すると発電効率の低下を引き起こしてしまうため、点検や部品交換などの定期的なメンテナンスが必要です。

設置業者がメンテナンスを行ってくれるかどうかを確認することはもちろん、メンテナンスしてくれる場合にはその内訳や頻度、費用をチェックすることがおすすめです。

確認申請などの手続きを代行してくれるか

ソーラーカーポートには建築確認申請が必要な場合があります。建築確認申請とは、建築基準法や関連法規に則った建物であるか確認する手続きのことであり、4台分以上の面積を持つソーラーカーポートは、建築確認申請が必要となるケースが一般的です。

また、前述の通り固定資産税がかかる場合もあり、これらの手続きは煩雑であるので、手続きを代行してくれる業者を選定すると良いでしょう。

ソーラーカーポートはソーラーカーポートすっきりGX

ソーラーカーポートすっきりGXは、はじめてソーラーカーポートを導入する法人様に適したソーラーカーポートです。建築確認申請の手続きや申請を代行しており、導入計画の策定から保守・点検までワンストップでサポートしています。
また、片持ち屋根のため駐車がしやすく、免震構造を有している点も特長です。

下記資料ではソーラーカーポートの選び方について紹介しています。
ソーラーカーポートの導入を検討している方はぜひご覧ください。

お役立ち資料

失敗しないソーラーカーポートの選び方
失敗しないソーラーカーポートの選び方
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