省エネ法改正に対応するには何をすべき?事業者の対応策として注目されるソーラーカーポート

2024年3月25日
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2023年4月1日に改正省エネ法が施行されました。すでに省エネ法の対策をされていらっしゃるご担当者様は、今回の改正で何が変わったのか、どう対応すべきか疑問に思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。本記事では、2023年4月1日施行の「改正省エネ法」の変更点・ポイントについて解説します。

省エネ法とは

省エネ法とは、エネルギーを利用する事業者に対して、省エネに向けた取り組み促進や資源の有効活用などを促すための法律です。

省エネ法には「直接規制」と「間接規制」という2つの区分があります。直接規制は「工場・事業場」と「運輸」の分野に対する規制であり、省エネの取り組みを進めるための努力義務が設定されています。
間接規制では機械器具の製造事業者または輸入事業者が対象となっており、対象品目のエネルギー消費効率の目標を設定した上で、事業者ごとに達成することが求められています。

省エネ法についてはこちらの記事で詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。

2023年4月1日施行の「改正省エネ法」の変更点・ポイント

省エネ法は1979年に制定されましたが、地球温暖化対策として省エネの重要性が増している現状を踏まえ、時代に合わせて改正を重ねてきました。

近年の動きとしては、2022年3月1日、「安定的なエネルギー需給構造の確立を図るためのエネルギーの使用の合理化等に関する法律等の一部を改正する法律案」が閣議決定され、2022年5月13日、改正省エネ法が国会で成立しました(2023年4月1日に施行)。

今回の改正では、法律名も「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」と変更されています。
以下では具体的な変更点をご紹介します。

「エネルギーの使用の合理化」の対象拡大

従来の省エネ法では、化石燃料に由来する燃料、熱、および電気の3つが「エネルギーの使用の合理化」(エネルギー消費原単位の改善等)の対象とされていましたが、今回の改正では、非化石エネルギーも合理化の対象として追加されました。

つまり、化石エネルギーに限らず、あらゆるエネルギーの省エネ化・合理化を進める方向性が示されたということです。具体的には、太陽光や風力などの再生可能エネルギーや、水素、アンモニアなどが報告の対象となります。

非化石エネルギーは環境適合性が高く、活用を推進すべきものですが、日本の場合は資源が豊富な海外からの調達が必要なものもあります。そのため、非化石エネルギーであっても合理化を進める必要があり、今回の改正に至りました。

非化石エネルギー転換の目標作成と、使用状況

一定規模以上のエネルギー使用者に対しては、従来の省エネ法でもエネルギーの使用状況についての報告が義務付けられていました。

今回の改正では、工場等で使用するエネルギーについては、化石エネルギーから非化石エネルギーへの転換(非化石エネルギーの使用割合の向上)を推進するため、特定事業者等に対して、非化石エネルギーへの転換の目標に関する中長期計画の作成、および非化石エネルギーの使用状況等の定期報告が求められます。

特定事業者等のうち、特に多くのエネルギーを消費する自動車や鉄鋼などの主要5業種については、非化石エネルギー転換目標に関する目安も示されました。
これらは、非化石エネルギーに転換する際には、電力ユーザーである事業者自身が非化石エネルギーへの転換に向けた自己評価を積極的に行うべき、という考え方に基づいています。

電気の需要の最適化

改正前の省エネ法では、電力使用量が最も大きいピーク時の使用電力をカットする電気需要の「平準化」(ピークカット)を前提としていました。これにより、需要家はピーク時の電気使用量そのものを削減する必要がありました。

しかし、近年は厳冬期の昼間など、電力需要が大きい時期に需給がひっ迫するなどの課題が浮かび上がっていることから、今回の改正では、発電量に合わせて需要を柔軟に調整する「最適化」という考え方にシフトしています。
最適化の実現に向けては、電気を使用する事業者に向けた指針整備等を行うとともに、電気事業者に対しては、電気の需要の最適化に資するための措置に関する計画(電気の需要の最適化に資する取組を促すための電気料金の整備等に関する計画)の作成等を求めることとされています。

また、特定事業者等は、電力の需給状況に応じたデマンドレスポンス(DR)を確実に実施するため、「上げDR再エネ余剰時等に電力需要を増加させること)」および「下げDR(電力需給ひっ迫時に電力需要を抑制させる)」の実績報告を行うことが求められます。

省エネ法改正で法人が対応すべきこと

以下では、今回の改正を受けて法人が対応すべきことをご紹介します。

なお、「使用エネルギー1,500kl/年度以上」、かつ「特定事業者、特定連鎖化事業者または認定管理統轄事業者」に該当する事業者には、下記の義務が生じます。

・エネルギー管理統括者などの選任義務
・エネルギー使用状況届(指定時のみ)
・エネルギー管理統括者等の選解任届出書(選解任時のみ)
・定期報告書及び中長期計画書(原則毎年度)の提出
・判断基準に定めた措置の実施(省エネ措置の実施等)
・指針に定めた措置の実施(燃料転換や稼働時間の変更等)

電気需要最適化を意識した需要シフトや設備の導入

改正省エネ法においては、特定事業者等は非化石エネルギーに転換するための具体的なアクションが求められます。例えば、自社に非化石電源を積極的に導入すると高く評価されます。

自社で取り組むことのできる非化石電源へのシフトとしては、太陽光発電の導入などが挙げられます。その際には、単に再生可能エネルギー設備を導入するだけでなく、すべてのエネルギー消費量について合理化を目指さなければなりません。そのため、省エネの実施計画の見直しなども必要です。

非化石エネルギーに対する中長期計画の策定

改正省エネ法では、事業者は化石エネルギーから非化石エネルギーへの転換を要求されており、それに向けて中長期的な計画を策定・報告しなければなりません。
例えば工事・事業場における特定事業者は、翌年度7月末日までに、エネルギー消費原単位の削減等に関する、およそ3年から5年の中長期計画書を提出する必要があります。

省エネ法改正の対策はソーラーカーポートがおすすめ

省エネ法改正への対策や、これから省エネ法の対策をされる方にはソーラーカーポートがおすすめです。

ソーラーカーポートとは

ソーラーカーポートは、カーポートの屋根に太陽光発電パネルが装備された設備のことです。
電気代の節約に寄与することはもちろん、SDGsやScope3※排出量削減の取り組みの一環として、法人用にも多く導入されています。

※サプライチェーンにおいて、事業者自らの燃料の燃焼や工業プロセスでのエネルギー消費(直接排出)であるScope1と、他社から供給されたエネルギー使用に伴う排出(間接排出)であるScope2を除いた排出のこと

一般的な種類として、太陽光発電パネルとカーポートが統合された「一体型」と、後から装備できる「搭載型」の2つがあります。デッドスペースになりやすい駐車場を有効活用でき、比較的導入費用が安価ない点などがメリットです。

ソーラーカーポートの詳細については、下記の記事をご覧ください。

省エネ法改正の対策でソーラーカーポートがおすすめな理由

改正省エネ法は、化石エネルギーから非化石エネルギーへの転換を促進するものですが、ソーラーカーポートは非化石エネルギーの太陽光発電を活用した設備であるため、ソーラーカーポートの導入は改正省エネ法に有効です。
また、ソーラーカーポートは太陽光という再生可能エネルギーを活用するためCO2を排出せずに発電が可能であり、施工時にもコンクリートがほとんど不要なため、設置時のCO2排出もなくクリーンな発電方法です。このことからも、改正省エネ法に適した設備だといえます。

法人用ソーラーカーポートはすっきりGX

屋上緑化システムでは、法人用ソーラーカーポートの「ソーラーカーポートすっきりGX」を提供しています。

商業施設や工場をお持ちの事業者様に特化したソーラーカーポートすっきりGXは、2023年6月に任意評価を取得しており、建築確認申請が簡略化できるため、建築確認申請にかかる時間が短いのが特長です。また、コンクリート基礎が不要な工法のため工期が短く、設置も1~3日で可能であるなど、スピーディーな設置を実現します。

以下のカタログでは製品概要から完成イメージ図など、具体的な製品内容について紹介していますので、ソーラーカーポートの導入にご興味のある方はぜひご覧ください。

お役立ち資料

5分でわかる!はじめてのソーラーカーポート
近年、太陽光発電設備の導入が進み、空き地といった未開発の適地が減少しています。また、建物屋根上だけでは十分な再エネ電力を得られないケースも増えています。このような中、注目が集まっているのが、企業のデッドスペースである駐車場の屋根上に設置できる「ソーラーカーポート」です。 本資料では、ソーラーカーポートの概要や導入までの流れ、準備などをご紹介します。
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