WEEE指令

WEEE(ウィー)指令とは、廃棄する電子機器や電気機器に関するEUの法形態です。英語の「Waste Electrical and Electronic Equipment Directive」の頭文字を組み合わせた言葉で、日本語だと「電気・電子機器の廃棄に関する欧州議会及び理事会指令」と訳せます。EU圏で電子・電気機器の廃棄量が増加することが予想されたことを背景に、2003年2月に施行されました。


施行された当初は電子・電気機器を10種類に分類し、回収やリサイクルに関する目標を設けていましたが、2018年8月に分類方法が再編されて6種類になりました。2018年8月の再編以降WEEE指令の対象となっている製品は、温度交換装置、スクリーン・モニター等、ランプ類、大型機器、小型機器、小型の情報技術・電気通信機器です。


WEEE指令の分類対象になっている製品を取り扱っている事業者は、EU加盟国の所轄当局に製品情報を登録する必要があります。加えて、製品の処理システムの構築、再利用や解体を考慮した設計、製品を使用する人やWEEE処理施設に対する情報提供と専用のマークの添付も必要です。WEEE指令は基本的には事業者に対する規制を行っていますが、消費者にも該当する製品を廃棄するときは、決められた回収所に出すことも求めています。


EU圏外の事業者も、WEEE指令の対象になるケースがあります。EU圏内で工場を建てて製品を製造するときや、他国で造った製品をEU圏内に輸出するときは、WEEE指令に従わなければならないのです。WEEE指令はEU圏内外の事業者や消費者を対象とし、EU全体で電子・電気機器を適切な形で処理するため枠組みとしての役割を果たしています。