RoHS指令

RoHS(ローズ)指令とは、電子機器・電気機器に使う物質のうち、特定の有害物質の使用を制限するEUの法形態のことです。英語の「Restriction of Hazardous Substances Directive」の頭文字を組み合わせた言葉で、日本語だと「電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関する欧州議会及び理事会指令」と訳せます。


2023年時点のRoHS指令は2013年1月から施行され、鉛・水銀・カドミウム・六価クロム・ポリ臭化ビフェニル・ポリ臭化ジフェニルエーテル・フタル酸ビス・フタル酸ジブチル・フタル酸ブチルベンジル・フタル酸ジイソブチルの10種類の物質を規制対象としています。規制対象になっている物質は冷蔵庫・パソコン・医療機器・自動販売機といったさまざまな製品に含まれているため、EU圏内への輸出や工場の設立などをする場合はRoHS指令を意識しなければなりません。


RoHS指令が制定された理由は、電子機器・電気機器の廃棄物の増加と、機器に含まれる物質に生物の身体や環境へ悪影響を及ぼすものが存在するためです。2003年2月に人体や環境に悪い物質を制限するRoHS1が交付され、制限物質や適用要件などの改定を経て現在のRoHS指令があります。


RoHS指令と同様に、EU圏内の物質の使用を制限する法律としてREACH規制が挙げられます。RoHS指令は特定の有害物質を含んでいる電子機器・電気機器を規制しているのに対し、REACH規制は製品に含まれている物質の登録を義務付けているのが特徴です。EU圏で事業を展開する場合は、RoHS指令だけでなくREACH規制に対応することも求められます。