MSC
MSCとは、持続可能な漁業の普及に向けて活動している国際的な非営利団体のことです。団体の正式名称は「Marine Stewardship Council」で、日本語だと「海洋管理協議会」と訳せます。本部の所在地は、イギリスのロンドンです。主な事業として、MSC認証制度の運営と、MSC「海のエコラベル」の交付を行っています。
MSC認証制度は、環境や水産資源に配慮した漁業を行っている業者や、その業者が獲った魚に対してMSC「海のエコラベル」を交付する制度です。第三者による審査機関が審査を行い、公平かつ公正な視点から認証制度に適しているかを確認します。認証後も、毎年審査員による審査を受けたり、5年に1回のペースで更新手続きを取ったりする必要があります。
MSCが設立された理由のひとつに、水産物を獲り過ぎる「過剰漁獲」が挙げられます。現在世界の3分の1以上の水産物は過剰漁獲の状態に陥っており、対策を怠っていると海の環境が悪化するリスクがあります。海の環境が悪化すると、その土地の漁業者に生活に影響を及ぼしたり、生態系が崩壊したりするかもしれません。食糧問題にも直結する課題であるため、MSCは過剰漁獲の防止に向けて精力的に活動しています。
過剰漁獲の防止としてMSC認証制度の対象となっているのが、サステナブル・シーフードです。サステナブル・シーフードとは、必要以上に漁獲しない、生態系に影響を与えない、持続可能性に配慮した管理システムを使う等の条件を満たした水産物のこと。MSCは、水産資源が長期間にわたって維持される方法で漁業を行うことを推奨しています。