ISO26000

ISO26000とは、企業や団体といった組織の社会的責任を定めた国際規格のことです。スイスのジュネーブに本部を置く国際標準化機構(ISO)が、2010年11月1日に発効しました。ISO26000の特徴は、ありとあらゆる組織に適用できるところ。先進国や発展途上国、営利団体や非営利団体などを問わず、さまざまな組織の活動に役立てられています。


ISO26000が策定されたきっかけは、2001年4月に開催されたISOの理事会で、組織の社会的責任を定めた国際規格の要否などについて検討するよう提案されたことです。当時各国では社会的責任に関するガイドラインが次々と作られており、国境を越えて事業を展開する場合に備え、国際的に統一された基準が必要になると考えられました。そこで消費者・政府・産業界・研究者など幅広い立場の人たちから意見を募り、最終的にまとめられたのがISO26000です。


ISO26000は7つの「社会的責任の原則」と、7つの「中核課題」を設け、それぞれの項目について行動方針を定めました。7つの社会的責任の原則とは、説明責任・透明性・倫理的な行動・ステークホルダーの利害の尊重・法の支配の尊重・国際行動規範の尊重・人権の尊重です。世界各国の組織は、これら7つの社会的責任を考慮しながら活動することが求められます。


7つの中核課題は、組織統治・人権・労働慣行・環境・公正な事業慣行・消費者に関する課題・コミュニティ参画および発展です。ISO26000は、働く人の人権や環境問題に配慮しながら地域コミュニティを発展させるよう定めた規格と言えるでしょう。