IEC

IECとは、「International Electrotechnical Commission」の頭文字を組み合わせた言葉のことです。日本語だと、「国際電気標準会議」と訳せます。主な活動内容は、電気や電子技術分野の国際規格の作成です。日本・中国・ドイツ・アメリカ・南アフリカなど、世界中の国々の代表的な標準化機関が参加しています。


IECの前身となるものは、1881年にパリで開催された第1回国際電気会議です。1906年にはIEC創立総会が開催され、ロンドンに本部が置かれました。1948年に本部が移転し、現在はスイスのジュネーブがIECの拠点です。当初は13カ国が加盟していましたが次第に参加国の数が増加し、現在は130カ国以上が参加しています。正会員と「加盟国プログラム」という正会員でないもののIECに参加して自国の工業化の参考にする国があります。


IECで策定された規格は、パソコンや太陽光発電システムなど、あらゆる電気や電子技術分野に適用されます。IECと似たものにISOとJISがありますが、ISOは電気・電子技術分野以外の国際規格を作成したもの、JISは日本独自の規格です。JISは国際規格をもとに基準を策定する場合が多いため、IECやISOの規格と共通するところも多く見られます。


IECには適切な規格を開発するため、技術分野ごとに専門技術委員会を設置しています。IECの専門技術委員会は「TC」と呼ばれており、いくつか欠番はありますが1から144まで存在します。例えば太陽光発電システムはTC82、電子実装技術はTC91です。技術の進歩やその他の情勢の変化に対応できるよう、規格は改正が繰り返されています。