ESCO事業

ESCO事業とは、省エネルギーに関するサービスを総合的に提供し、利用者の利便性と環境の保全の両方に貢献するビジネスのことです。特徴は、省エネ改修のための費用を、削減された水道光熱費から賄うところ。新たな資金調達を行う必要がないため、ESCO事業は近年多方面からの注目を集めています。


ESCO事業では、省エネ診断・設計・施工・運転・維持管理・資金調達といったあらゆるサービスを提供します。また、省エネ効果の保証を含んだ「パフォーマンス契約」という契約形態を取り入れており、依頼主にはなるべく損をさせない体制が取られているのが特色です。もし省エネ効果が見られなかった場合は、ESCO事業者がペナルティを支払います。


資金面やサービス面でたくさんのメリットがあるESCO事業ですが、一方で新しい省エネ対策を導入しにくいのがデメリットとして挙げられます。ESCO事業では事業者が省エネ効果を保証する都合上、施工に取り掛かる前に細かい計画を立案します。そのため、契約後に新たな省エネ対策案を思いついても、いきなり計画に追加するのが難しい場合があるのです。


ESCO事業ではおよそ9~15年を目安に契約をするため、長期的な目線で省エネ計画を考えることが大切です。また、契約期間中はESCO事業者へのサービス料を支払うことになる点にも要注意。既に省エネ改修の計画ができている場合は事業者を利用しない方がコストを抑えられるケースもあるため、状況に応じて依頼するかを判断するのが大切です。