CSV経営

CSV経営とは、社会的な課題を解決することは自社の利益にも繋がるため、会社の事業を通じて社会問題を解決しようという考え方のことです。CSV経営のCSVは「Creating Shared Value」の頭文字を取った言葉で、日本語だと「共有価値の創造」と訳せます。アメリカのマーク R. クラマー氏とマイケル E. ポーター教授が主張し、世界中に広まりました。


CSV経営を実現するには、製品と市場の見直し、生産性の再定義、地域への産業クラスターの開発の3点が重要とされています。製品と市場の見直しでは、社会からのニーズに応えられる製品・サービスの展開を計画します。生産性の再定義とは、材料調達・製造工程・輸送・販売などの各ステップで社会問題の解決に取り組むことです。地域への産業クラスターの開発では、地元企業を支援したりインフラを整備したりして、拠点を置いている地域に貢献します。


CSV経営と類似する用語として、CSRが挙げられます。両者の違いは、CSV経営は企業と地域社会が共存できる価値を創出することを目標としているのに対し、CSRは企業活動を続けるうえで企業が果たす責任を示していること。CSV経営は事業の展開の仕方、SCRは企業のあり方・姿勢を起点としていると考えて良いでしょう。


CSV経営に取り組むメリットは、他社との差別化ができることです。自社が持つリソースをもとに事業を展開するため、独自の販路やサプライチェーンを開拓できます。またCSV経営の考え方はSDGsに通じるところもあるため、企業イメージの向上にも効果的です。