CSR

CSRとは、企業活動に環境への配慮や社会的な公正さ等を取り入れ、従業員・投資家・地域社会などに対する責任ある行動を行い、説明責任を果たすことを求める考え方のことです。日本でCSRが広まったきっかけとしては、オイルショックを契機とした価格高騰や、企業の自己中心的な活動に対する批判が高まったことが挙げられます。


CSRは、ISO(国際標準化機構)が発行した「ISO26000」の、「七つの原則」と「七つの中核主題」に則って基本的な方針を定めています。七つ原則は説明責任・透明性・倫理的な行動・ステークホルダーの利害の尊重・法の支配の尊重・国際行動規範の尊重・人権の尊重、七つの中核主題は組織統治・人権・労働環境・環境対策・公正な事業慣行・消費者問題・コミュニティへの参画です。


CSRと混同されやすい言葉として、SDGs・CSV・コンプライアンスなどがあります。SDGsは持続可能な世界を目指す「目標」、CSRは目標達成のために企業が負う「責任」を指すと考えられます。CSVは利益の獲得と社会問題の解決の両立を目指す経営方針である一方、CSRは社会責任を果たしたり環境と共存したりすることを目標としていることに違いがあると言えるでしょう。また、コンプライアンスには法的拘束力がありますが、CSRには法的拘束力はなく、自主的に順守することが期待されています。


CSRを順守することは、企業イメージの向上やグローバル展開などにも効果があるとされています。また労働環境の改善やSDGsが注目されている昨今の情勢を鑑みて、CSRに取り組んでいる会社と優先的に契約する取引先もあります。企業活動を続けるためにも、CSRを意識した経営方針を策定することはとても重要と言えるでしょう。