逆流防止ダイオード

逆流防止ダイオードとは、電流の逆流を防ぐ役割を担う電子部品のことです。太陽光発電システムを設置する際に、よく用いられます。逆流防止ダイオードを組み込まずに太陽光発電システムを設置すると、電流の逆流による発熱や焼損のリスクも高まるため、安定した発電環境の実現には欠かせない存在です。


ダイオードは、電流を一方向へ通しやすい性質を持っています。電流は電圧の高い方から低い方へ流れるのですが、日陰・夜間などで発電していない太陽電池モジュールは電圧が下がりやすいため、より電圧が高い方から電流が逆流して機材を破損する恐れがあります。そこで逆流防止ダイオードを使用し電流が常に同じ方向へ流れるようにするのです。


太陽光パネルにはいくつかの接続方法がありますが、特に逆流防止ダイオードが欠かせないのは並列接続を行うときです。どこか1カ所で電圧が不安定になると逆流電流が発生し、他のパネルの方まで電流が逆行し、太陽光発電システム全体の故障まで繋がる可能性があります。


太陽光発電システムの規模が大きければ大きいほど、逆流防止ダイオードの重要度も高まっていきます。加えて近年は太陽光発電システムの高電圧化も進んでおり、少しの逆流でもシステム全体に大きな影響を与える可能性があります。部分的に影がかかったり汚れが付いたりするだけでも電圧が下がり、逆電流の発生のリスクも高まるため、逆流防止ダイオードの正確な配置がとても重要です。