PID現象
PID現象とは、太陽光発電システムの出力を低下させる不具合のことです。「Potential Induced Degradation」の頭文字を組み合わせた言葉で、日本語だと「電力誘起出力低下」と訳せます。PID現象が発生すると発電量が減少し、売電収入が減ったり電力不足に陥ったりするケースもあるため、発生を未然に防ぐ対策を講じる必要があります。
PID現象は、太陽光パネルに高い電圧がかかったとき、太陽電池と太陽光パネルの間に本来発生してはいけない電流(通称:漏れ電流)が発生することで起こります。漏れ電流が生じる原因はまだ解明されていませんが、周辺環境が高温多湿である、太陽電池に結晶系シリコンを使用している、高電圧な状態が続いている等の状態の場合、PID現象が発生する可能性が高まるとされています。
PID現象を防ぐ方法としては、太陽光パネルの-極をアース接続したり、フレームがない「両面型太陽光パネル」を設置したりすることが挙げられます。アース接続とは、漏れ電流を地面に流す方法です。アース接続が難しい場合は、絶縁型のパワーコンディショナを導入するのも良いでしょう。また近年は、PID現象対策を施した太陽光パネルも販売されています。
蓄電池の導入を検討している場合は、特にPID現象への対策を意識することをおすすめします。PID現象の対策が不十分だと充電・放電といった機能が使えず、蓄電池と連携できないケースがあるのです。10年以上前に製造された古い太陽光パネルを使用しているときは、PID現象への対策を講じているかも確認しておきましょう。