LCOE

LCOEとは、発電量に対するコストのことです。「Levelized Cost Of Electricity」の頭文字を組み合わせた言葉で、「均等化発電原価」と呼ばれる場合もあります。建設費・運転費・燃料代・メンテナンス費・保険料・事故対策の費用といった発電のためのコストと利潤を合算し、運転期間中の想定発電量を用いて計算します。


LCOEの対象となるのは、太陽光発電・バイオマス発電・風力発電・地熱発電など多岐に渡ります。資源エネルギー庁が2021年に作成した資料によると、事業用の太陽光発電の発電コストは8.2~11.8円/kWh、家庭用の太陽光発電が8.7~14.9円/kWh、石油火力が24.9~27.5円/kWhなどで、太陽光発電は費用対効果が比較的良い結果となっていました。


LCOEを活用することで、自社や自宅で使用している発電設備がどれだけ効率的に稼働しているかを分析することが可能です。LCOEは設置から廃棄まで一連のコストをもとに算出するため、正確性にも優れています。費用対効果の分析が完了したら、今後の運用方針を考案する際の参考にもできます。LCOEは発電システムを計画的に活用するため、欠かせない数値と言えるでしょう。


設備の経年劣化によりLCOEは上昇しやすいため、発電効率が下がらないよう、定期的なメンテナンスは欠かせません。太陽光発電システムを導入する場合は、温度上昇への耐性がある製品を選ぶことも大切です。太陽光発電システムに使用する太陽電池は、温度上昇に弱い傾向にあります。また、初期費用を抑えることでLCOEの改善に効果が期待できます。