BEMS
BEMS(ベムス)とは、ビルのエネルギー消費に関するデータの収集・蓄積・分析ができる管理システムのことです。「Building Energy Management System」の頭文字を組み合わせた言葉で、日本語だと「ビル・エネルギー管理システム」と訳せます。エネルギーマネジメントシステム「EMS」のうち、商業ビルやオフィスビルを対象としています。
BEMSを導入する主な目的は、ビル内でのエネルギー消費量を可視化することです。いつ・どこで・どの設備で・どのくらいの量のエネルギーが使われているか等を数値やグラフでデータ化し、適切な省エネ対策の実施をサポートします。BEMSを実施することで、国が用意している補助金制度の適用対象になったり、投資家からのESG投資を呼び込んだりすることも可能です。
BEMSを導入するメリットとしては、電気代の節約やエネルギー管理の効率化・省力化が挙げられます。BEMSで集積した客観的なデータに基づいた対策を講じられるため、効果的に電気代を削減できます。またエネルギー管理に必要な工程の多くの部分をシステムに任せられるため、人員を抑えつつ効率的に管理することが可能です。
一方、導入コストがかかるのがBEMSのデメリット。建物の各所にセンサーを設置するほか、データを送受信するための通信機器や制御装置など、さまざまな機材を導入する必要があります。データの収集・管理を行う管理室の設置や、BEMSに対応できる専門知識を有した人材の確保も課題として挙げられます。BEMSを導入する際は、費用対効果を検討することも大切です。