高圧
高圧とは、定格出力が500kW以上・2,000kW未満の太陽光発電のことです。電気事業法では「自家用電気工作物」と定義されており、主に工場や商業施設といった規模が大きい場所で使用します。出力が大きいぶん、安全確保や電力の安定供給のため、さまざまな義務が発生します。
高圧で発生する義務としてまず挙げられるのは、経済産業省が定めた技術基準を満たす設備を設置し、維持することです。設備の設置工事から維持・運用まで絶え間なく安全性を保つため、保安規定を定めて届け出る必要もあります。発電設備のなかには、「キュービクル」という受電設備の設置することも必須条件です。
また、運用中の設備に異常がないか確認するため、電気主任技術者の選任も求められます。自社内で電気主任技術者を確保するのが難しい場合は、経済産業大臣もしくは産業保安監督部長の承認を得ると外部に委託することも可能です。
高圧で太陽光発電を導入するメリットは、低圧の設備よりも効率的に発電できること。売電収入を得ることを目的に設置する場合も、小さな発電施設を複数箇所に設置するよりコストパフォーマンスが高いケースがあります。
一方、初期費用とランニングコストがかかる点には要注意。規模が大きいぶんさまざまな設備を設置する必要がありますし、安全確保のため電気主任技術者を選任したり定期的なメンテナンスを実施したりしなければなりません。高圧の太陽光発電を導入する際は、費用面の計画を綿密に立てるようにしましょう。