逆潮流

逆潮流とは、電気が需要家から電力系統へ逆流することです。基本的に電力は、発電所から需要家へ向かって一方向に流れます。しかし何らかの原因で、電力が通常とは反対方向に流れてしまうケースがあります。この電力が逆流する現象を、逆潮流と言うのです。逆潮流は電気トラブルの原因になるため、綿密な対策が必要です。


少量の逆潮流であれば、近くの建物へ流れて消費されるだけで済むのですが、逆流する電力量が大きすぎると「バンク逆潮流」という現象が起こる可能性があります。バンク逆潮流は変電所が対応できる能力を超えたときに発生する現象で、電圧品質の低下や電力供給の不安定化、停電の発生の原因になり得ます。


特に太陽光発電システムを導入する際は、逆潮流の発生に注意が必要です。太陽光発電は天候に左右されやすいため、電圧がかかりすぎたり、逆に電圧が低下したりと変動しやすい傾向にあります。また日中の自宅や休日の事務所など、電気の使用量は少ないのに電力はたくさん作られる状況になると、建物内で使い切れない電力が電力系統へ逆流しようとしてしまいます。


太陽光発電は発電量の不安定さやコントロールの難しさがあるため、きちんと対策しなければなりません。主な対策法として挙げられるのは、RPRや制御装置の設置です。RPRは逆電流の兆候を感知すると作動し、太陽光発電を一時停止させる機能があります。制御装置は消費電力の量などを計測し、太陽光発電システムの動作を制御するものです。安定した太陽光発電を行うには、逆電流への対策がとても重要です。