片流れ屋根

片流れ屋根とは、片方から一方向に傾いている屋根形式のことです。日本刀で斜めに切ったようなシンプルなデザインで、住宅やソーラーカーポートでも人気があります。勾配が付いているぶん雨水が屋根の上に溜まりにくく、屋内ではロフトや屋根裏部屋といったスペースを設けやすいのがメリットです。


太陽光発電の観点からは、一方向にのみ傾斜を付けているぶん太陽光パネルをたくさん設置しやすく、発電量の増加が期待されています。特に、ほぼ一日中日光が当たり続ける南向きに傾斜を付けた片流れ屋根は、多くの家庭で導入されている傾向にあります。雨どいの設置数や天井と屋根の間に設ける「小屋裏空間」を最小限に抑えられるため、建設コストを削減することも可能です。


片流れ屋根に太陽光発電システムを設置する際は、パネルを設置できるだけの傾斜があるかを確認しておきましょう。傾斜が足りないと太陽光発電システムを固定するためのビスを打ち込む際、雨の侵入を防ぐコーキングが入れられない可能性が高まります。片流れ屋根ソーラーカーポートを設置する際は、太陽光発電システムの重さで屋根が傾かないよう対策を講じることも忘れないようにしましょう。


片流れ屋根には、雨漏りや劣化のしやすさといったデメリットもあります。片流れ屋根は構造上雨どいの数が少ないぶん雨水が入りやすく、雨漏りのリスクが他より高いとされています。また換気しにくい造りのため、木材の劣化・腐食が発生するケースも。片流れ屋根で建物を建設する際は、構造の確認や必要な対策を講じることが大切です。