出力抑制

出力抑制とは、電力の供給量が需要量よりも上回ったとき、電力会社が一時的に電力の買い取りを停止できる制度のことです。太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーの普及に伴い、導入されました。買い取れる電力量は電力会社によって異なるため、出力制限の目安はそれぞれで確認する必要があります。


出力抑制を実施する目的は、電力の供給量を安定させることです。再生可能エネルギーを用いた発電は天候や時間帯に左右されやすいため、必要な電力を十分に発電できなかったり、逆に多くの電力を発電したりします。電力が不足すると人々の生活に影響が出ますし、逆に供給量が需要を超えると電力の需給バランスが崩れてしまいます。出力抑制は作り出した電力を適切に使用するために欠かせない制度です。


出力抑制を実施するため、太陽光発電システム等を設置する場所には「遠隔出力制御システム」の導入が求められる場合があります。インターネットを介して電力会社が出力を制御できる仕組みで、電力の需給状況に合わせてリアルタイムで発電量を調整することが可能です。ほかにも、電力会社から太陽光発電システムの所有者に、出力抑制する旨を電話やメールで連絡する方法もあります。


無償で出力抑制を行う時間は法律で決められており、太陽光発電の場合は年間360時間が上限です。500kW以下の小規模なものも含む、すべての太陽光発電システムが対象です。ほかにも「指定ルール」が存在しており、条件を満たしたものは年間360時間を超えても出力制限ができる場合もあります。