低圧

低圧とは、定格出力が50kW未満・交流電圧で600V以下・直流電圧で750V以下の太陽光発電のことです。電気事業法では「一般用電気工作物」に区分されており、主に住宅や小規模事業所などで導入されています。設備がコンパクトであるため、限られたスペースでも設置しやすいのが特徴です。


低圧の太陽光発電を取り入れるメリットは、導入のハードルが低いことです。高圧の太陽光発電の導入で必要となる届出の提出や電気主任技術者の選任をする必要がないため、手早く太陽光発電設備を導入できます。高圧では設置が必須のキュービクルも必要ないので、初期費用やランニングコストを抑えることも可能です。


ただし、「大規模な太陽光発電設備が欲しいけど手続きが面倒だから」と、低圧の太陽光発電設備をいくつも作るのは禁止されています。2014年4月に、同じ申請者が同時期もしくは近い時期に、複数の発電設備について申請することを禁止しました。


また、発電設備を設置する土地が近く、実質的に同じ場所であると判断された場合も申請は却下されます。低圧の太陽光発電設備を導入する際は、1人の申請者が1カ所につき1つまで設置することを意識しましょう。


導入のしやすさが魅力的な低圧の太陽光発電ですが、デメリットもあります。高圧や特別高圧よりも、システム容量1kWあたりの費用が高くなりやすい点には要注意。低圧の太陽光発電は規模が小さくなりやすく、初期投資やランニングコストに対して十分な収益を得られないケースもあるため、工事に取り掛かるまでに資金計画を十分に練っておくことが重要です。